PrecisionTreeはMicrosoft Excelのアドイン・ソフトで、Excelのスプレッドシート上で決断分析(Decision
Analysis)を行うためのツールです。
1. 1. PrecisionTreeの特徴
決断分析として古くから用いられている「決定樹」(Decision Tree)と、比較的新しい手法である「影響図」(Influence Diagram)をスプレッドシート上に作成することにより、決断分析を可能とします。
2. 2. PrecisionTreeの主な機能
@ @ 「決定樹」は、決断ポイント(ノード)ごとにコストと期待値を定量的に判断し、意思決定を支援します。この機能を用いると、意思決定のプロセスが明確となるため、決断要素に不確実性を含み、複雑で大規模な意思決定に対しての評価、分析が簡単に行えます。
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A A 「影響図」では、各ノードをアークで結合します。結合したアーク間の影響属性はアークの種類で表現します。また、感度分析を実行して各要素の最終結果への影響を評価できます。
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3. PrecisionTreeのその他の機能
@ @ コストと期待値との定量的判断では説明できない決断を行う場合、PrecisionTreeの効用関数(Utility Functions)を使用して期待効用値(Expected Utility Value)を求め、その値とコストとを定量的的に評価することもできます。効用関数は3種類用意されておりますが、ユーザーがVBAを用いて独自の関数(Custom Utility Functions)を作成することもできます。
A A PrecisionTreeには「影響図」から「決定樹」を自動的に生成する機能があります。
この機能を用いる際に、既知データとして前提確率P(A)と条件付き確率P(C|A)を入力すると、ベイズの定理(Bayes' Theorem)により逆確率P(A|C)と事前確率P(C)を算出することもできます。
B B 決断ポイントの結果に影響を与える要素が不確実性を含むような場合、この要素セルに@RISK(モンテカルロシミュレーションツール)の確率分布関数を入力し、シミュレーションを実行すると、最終結果値の確率分布により、この値の起こりうる範囲とその確率を推測することができます。
4. PrecisionTreeの利用分野
米国では、薬物設計、MR活動支援等、製薬メーカーでの実績が多いのですが、他の分野でも、新製品開発、新規事業参入、新工場建設、設備の近代化等、重要な意思決定を必要とする場面で効果があります。また、期待効用値を利用できるため、医療機関における臨床決断分析や、診療ガイドラインの作成にも応用できると思われます。
2012年価格
Precision Tree Industrial \231,000.- (税込)
*日本語マニュアルは付きません。
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